酒一筋・醸句通信    第三九号
今回のコンテンツ   1.酒のウソホント「カメとツボ」   2.秋のイベント▼ 「吟醸酒を味わう会」   3.毎回楽しい「百人一酒」  ◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━ ◆  醸句通信  No.39   2005.9 ◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆  天の与えたすばらしい力を内包する「赤磐雄町米」の米を守り 育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと美味しくお酒を飲んで 頂くために楽しいお酒のお話をお送り致します。  このメルマガが、ほんのすこしでもあなたのお酒の楽しさに プラスになればと思っております。                         利守酒造株式会社 【冷やおろし】(ひやおろし)  春先に出来上がったお酒は貯蔵 (熟成)を経て秋口から瓶に詰めて 出荷するのが、一般的なサイクルです。 秋口になると外気(気温)と貯蔵され ているお酒の温度とが同じ位になりま す。それをそのままタンクから瓶に詰 めて出荷するお酒を「ひやおろし」、 「秋あがり」とも呼びます。なぜ、同じ 温度が良いか?それは雑菌の繁殖 が抑えられるからです。 この季節が旬です! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.酒のウソホント ▽ カメとツボ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ガラス瓶が出来るずっと前、桶や樽もできる前、 酒の入れ物としてはツボとカメがありました。この 二つ、同じ様な物のように思いますが厳密に言う と違う物なのです。さて、どこが違うのでしょうか。 まず、ツボとカメを表す文字が違います。ツボの 方は漢字で「壷」と書きます。カメの方は「甕」の文 字が難しいせいか常用漢字では瓶の字を使ってい ます。この辺から混乱が生まれたようです。 瓶という文字からは、ガラス製の酒瓶などが思 い浮かびます。それに瓶という字はカメとは呼び にくいですね。ほとんどの人がビンと読んでしまい ますから。 壷と甕、この二つはいずれも土で作られた物です。 人類の文化と共に生まれ、やがて火で熱せられて 陶磁器製の物になります。共に入れ物として作られ ました。水、酒などの飲み物、穀類などの食物等 を入れて使用した物です。  それぞれの容器としての目的に合わせて、ツボ とカメの字は別々な漢字が当てられました。しかし 文化が進むに伴って、形が変わり用途も変わって きます。そもそも初めに名付けられた文字が意味 をなさなくなってきました。 陶芸の技術が進んでくると、一部のものは工芸品、 美術品として評価されるようになり、本来の使用 目的から離れた形にもなりました。また、作られた 時点からずっと後になって、形や色が評価されて 美術品になることもあります。それで双方の区分 けがしにくくなったと言う事もあります。 私たち人類の文化の中で、長い歴史をもってい るものは、時代とともにその制作目的やそれに当 てられた文字が通じなくなることが多いようです。                ・・・・つづく ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.秋のイベント 「吟醸酒を味わう会」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  酒一筋を楽しみたい方に。 こんなイベントがあります。是非ご参加下さい。  どなたでもご参加頂けます! ◇◆◆ 「吟醸酒を味わう会」大阪 ◆◆◇           日時:10月4日 18時~18時30分  会場:ホテル阪急インターナショナル        北区茶屋町19-19 参加費:4,000円 ◆◇◇ 「吟醸酒を味わう会」東京 ◇◇◆           日時:10月19日 17時30分~19時30分  会場:赤坂プリンスホテル        千代田区紀尾井町1-2 参加費:4,000円  全国の吟醸酒協会蔵元が参加してのイベントとです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.小倉あん子の「百人一酒」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  平 兼盛・たいらのかねもり  忍ぶれど色に出にけりわが恋は   物や思ふと人の問ふまで 《解釈》   近頃「私、あの人に恋しちゃった」と おおっぴらにいう人がいますが、だい たい恋は密かに思うものです。 平兼盛の恋も、「秘めたる恋」と自称 していますが、「何か物思いをしている のですか」と人が尋ねるほどにとうとう 顔色に出てしまった。  ■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■   忍ぶ女(め)も 色に出に蹴り 酒呑めば      腿(もも)やわらかに 足の甲まで 《解釈》 「夜這い」と言うのをご存知ですか。 日本では源氏物語の頃は男性が 女性の所に忍んで通ったのです。 女性が男性の所に密かに通うのを 「忍ぶ女」と言いました。 うぶでなくても気恥ずかしい娘心、 男性の所に忍び込んだ時は顔面 蒼白。色白なんて言うものではあ りません。ガタガタ震えているので 男は彼女に酒を飲ませました。 さっと顔に朱がさしました。こうなる と大胆なもので、脱ぎっぷりも鮮やか、 すらりとした脚線は腿から足の甲まで 紅色になっていたという美しい情景を 詠ったものです。このような色彩豊か な描写、私も見たかった。 ####################################################  「吟醸Bar72」の多数のご来店ありがとう ございました。 吟醸酒協会の新しい企画として課題は残り ましたが、一つの成功だと喜んでおります。 秋には「大阪」「東京」で「吟醸酒を味わう会」 を開催いたします。そちらでもお会いできる事 を楽しみにしております。         利守  新聞「軽部村便り」と重なる月は、ばたばたとして しまい読者の皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳ご ざいません。 少し涼しくなったかなと思ったら大型台風。 皆さんも充分お気を付け下さい! これから今夜に備えて準備です。