酒一筋・醸句通信    第三二号
今回のコンテンツ   1.酒のウソホント「井戸」   2.おいしいお酒の買える店▼ 「鳥つね 自然洞」    3.毎回楽しい「百人一酒」  ◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━ ◆  醸句通信  No.32   2005.2 ◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆  天の与えたすばらしい力を内包する「赤磐雄町米」の米を守り 育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと美味しくお酒を飲んで 頂くために楽しいお酒のお話をお送り致します。  このメルマガが、ほんのすこしでもあなたのお酒の楽しさに プラスになればと思っております。                         利守酒造株式会社 【床揉み】(とこもみ)  蒸米を麹室に取り込んで から3~4時間後に蒸米を ばらして種麹を撒布(種付け) し、床に広げて良く揉み、均一 に麹菌が蒸米に付着するよう にする作業を床揉みと言い ます。 作業で疲れたから指圧を 行う事ではありません! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.酒のウソホント ▽ 井戸 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  お酒の中身は80%を越す水に、アルコールとさまざま な旨味が溶けているものです。お酒の味にはその蔵の 仕込み水、米を浸したり蒸したりする水、調合の水の 性質が大きい影響を与えていると思われます。 でも、良い酒が造れる水と、酒にするのが難しい水とで は、現代の分析技術では明確に分けられないのがホン ネの話です。 酒蔵の水はほとんどが井戸水です。その井戸にも色々 あります。大きく分けると浅井戸と深井戸に分けられます。 浅井戸は地下6m位までのものを言い、それ以上深い ものを深井戸と言っています。 浅井戸はだいたいが総堀り井戸です。これは井戸掘り 職人がどんどん掘っていったもので、途中で水が湧い てくれば水を汲みながら掘ったものです。 周りが崩れやすければ石を積んで止め、地上には井戸 枠をはめて安全をはかっています。かつてはつるべや 滑車を用いて人力で水を汲みました。やがて「ガチャポン」 と言われる手動ポンプになり、今は電動ポンプで汲み上げ ます。このときポンプは地上に置いて汲み上げます。 地上にあるポンプは水を吸い上げているわけで、理論的 には10mが限界なのです。それ以上深い井戸の場合は 水中ポンプを使い、水を押し上げているのです。 この分野の井戸は深井戸と言われます。 深井戸は現場にボーリング装置を設置して連続運転で パイプの太さだけを掘っていきます。深さはさまざまで、 100~300メートルなんて言うのもあります。 浅井戸がいいか深井戸がいいかは判定できません。 出たとこ勝負なのです。 神様の思し召しなのでしょう! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.おいしいお酒の飲める店 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、買えるお店をご紹介致します。 ▽ 「小山商店」 定休日:第3日曜    東京都多摩市関戸 5-15-17       TEL:042-375-7026      ●聖蹟桜ヶ丘駅(京王線)下車 徒歩13分程度         営業時間:9:00~21:00(月~土)          10:00~19:00(日)     全国的にも有名な地酒専門店の一つ。 「えっ!こんなにお酒があるの・・」と驚か れるはず! わからない事があれば、親切丁寧に教 えてくれる。自分で探すのも楽しいが、尋 ねながらお酒を見て回るのも新しい発見 があるかも! (※「備前の酒一筋」特約店です) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.小倉あん子の「百人一酒」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  紀友則・きのともなり   久方の光のどけき春の日に     しづ心なく花の散るらむ 《解釈》 百人一首の中でも、詠んで心地よい歌です。 「しづ心」というのは、「心静かに」という意味 で、春爛漫と花が咲いている情景、それを眺 めている人たちの様子や心をさしています。 でも、「心静かでない」ものが一つだけあります。 それは桜の花の散る様子です。皆が心のどか にいるのに、どうして桜は忙しく散っていくので しょう。華やかに咲き誇ったあとのさびしさ、はか なさがひっそりとにじみ出てきます。  ■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■     久かたぶりに 光が覗き込んだ春の日に         静が心して花を散らした 《解釈》 暗黒街の世界というのがあるそうです。 そこには掟というのが厳重に敷かれている らしく、だいたいロマンというのは悲恋物語 なんですね。 満点の子女の紅涙を絞るのは不遇な男と女 の間の話なのです。さて、ここに出てくるのは 親分の女房、お静、それに若者の光。 この二人がいい仲になってしまう。 それを親分は知ったらしく、光を遠ざけるの だが・・監視の目を盗んで久しぶりに光が静 のもとにやって来るも駄目。 そこは親分の監視の目が厳しい。 そこで密かに静は「だめよ」と言う サインを送ります。そのサインとは…、見事に いけられている花をちぎって散らすのでした。 ##########################################################  暖冬、暖冬と言われながら急に冷え込んだりするので 驚きますよね。 酒造りには、寒い方がありがたいんですが! 蔵の中も大吟醸の仕込みや搾りで大忙しの日々、今季 は全国的に酒粕が少ないみたいですね!造る酒の量が 減って来ているのだからあたりまえですよね。 (粕の出ない仕込を行っている蔵も増えてるみたいですし) この寒い季節は、粕汁が美味しいんですよ!体の芯から 温まりますし、新酒で一杯がイッパイ飲んだりして・・・