お酒をたずねて、備前めぐり
宇野バスを降りると橋の向こうに白い壁と杉玉が見える。
橋を渡ると桃の形の欄干の向こう側から桃太郎が、よく見ると利守酒造の若旦那でした。
蔵の案内をしていただいて後、最後に案内された部屋で待っていると、杜氏の田村さんが登場。
公民館の茶碗のような大きな利き猪口でラベルの無い茶色のびんから、いくつかの酒一筋を注いでいただいた。
猪口に口を近づけると華やかな香りが鼻に飛び込んでくる。
口に含むと厚みのある味がいっぱいに広がりのどを過ぎるともう一度香りだけを残してすっと消えていく。
目を上げると田村さんの気迫と共に「どう?」と視線が聞いている。
「おっ美味しいです」それだけやっと答えながら、素晴らしいお酒を「美味しい」としか表現できない語彙の無さを深く深く反省しながら、心地良い酔いとともに「うまい、うまい」と小声でつぶやきながら飲む酒一筋であった。(ただの酔っ払い?)
当然帰りには、リュックいっぱいの酒一筋と備前焼の猪口を買って、埼玉のお山に帰りました。