酒一筋  醸句通信    第九一号
今回のコンテンツ   1.酒のウソホント   2.毎回楽しい「百人一酒」   3.おいしい話   4.おいしいお酒の飲める店 ◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆  醸句通信  No.91   2010.1 ◆━━━━━━━━━━━━━━ 酒一筋 ◆◆  謹賀新年  旧年中のご愛読に感謝申し上げます  本年も酒一筋をよろしくお願い申し上げます  天の与えたすばらしい力を内包する軽部産「雄町米」 の米を守り育て続けている「酒一筋」の蔵元からもっと 美味しくお酒を飲んで頂くために楽しいお酒のお話を お送り致します。  このメルマガが、ほんの少しでもあなたのお酒の楽し さにプラスになればと思っております。                         利守酒造株式会社 【甘酒】(あまざけ)  一夜酒、醴酒とも言い、 昔は熱いものを「ふうふう」 吹いて飲むのが消夏法とさ れていました。 俳句では夏の季語なんです。 イメージがわきませんよね。 どうしても酒蔵では酒粕を溶 いて作ると言うイメージから 酒粕の出る寒い(冬)となっ てしまいますが。  この季節、吟醸粕で作る甘酒 は体も心もホットにしてくれます!     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.酒のウソホント    ▽ 上戸と下戸 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  お酒を飲む人を上戸といいます。 飲まない人を下戸といいます。 「酔い覚めの水、下戸知らず」とは、飲んべえに対して 飲まない人が色々言うのに、酔い覚めの水のおいしさは 飲まない人にはわからないだろうと、強がりを詠んだも のです。 この上戸、下戸という言葉の語源は、今から千年も前に 出来たものなのです。 奈良時代のころ、国勢調査のようなものをやりました。 一家ごとに家族構成を調べました。田畑の耕作以外に何 の産業もないころです。労働力だけが財産でした。 そこで、働ける大人の人数の多い家を「上戸」、少ない 家を「下戸」と区分けしたのです。 これだけではお酒とは関係ありません。 ところが、実は関係があるのです。  その当時、お酒は役所から配給されたのでした。 その割当量は、当然のことですが大人の人数が多い家に はたくさん割り当てられました。 つまり、上戸の家にはお酒がたくさん割り当てられた訳 です。 そこから、お酒が飲める人のことを上戸と呼ぶように なったというのですが、これはずいぶん飛躍した連想で すね。大人が少ない家だったはずの下戸という言葉が、 お酒を飲まない人という意味になったのには無理があり ますね。 「ジョウゴ」という瓶に酒などを入れるときに使うアサ ガオ型の器具があります。あれはほんとうは漏斗という のですが、ジョウゴとも呼びます。 これは、「お酒をどんどん飲んでしまうから…上戸だ」 ということで、ジョウゴと呼ぶようになったのです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.小倉あん子の「百人一酒」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  後京極摂政前太政大臣  (ごきょうごくせつしょうさきのだいじょうだいじん)  きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに   衣かたしき独りかも寝む 《解釈》   コオロギの無く霜夜の寒い床に衣の片袖を  敷いてひとり寂しく寝るのだろうか。  ちょっとせつない歌ですね・・・    ■□■平成の百人一酒に酔人詠める歌■□■   キリギリス 鳴いて夏中過ごしたが     衣脱ぎ質へ ひとり飲むねん   《解釈》  イソップ話の「アリとキリギリス」の話です。 キリギリスは夏中楽しく遊んで暮らしました とさ。男の子と女の子がじゃれあって、稼い だお金だけでなく、親からもらったお金まで 使い切ったとさ。 秋がきて冬になって、その寒さの中で着てい るものを質に入れ、そのお金でお酒を手に入れ、 あの取り巻き連中を誘ったのですがもう誰も いない。そこで淋しく一人酒を飲んだという お話。 これを聞いた飲んべえは、「見上げた根性」 とキリギリスを褒めたというおまけ話もあり ます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.おいしい話 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  チーズと日本酒の美味しい関係をお楽しみ下さい!    年の始めはチーズの分類からいきましょう。 造り方の違いにより様々なスタイルに仕上がるので、 それらを解りやすくタイプ別に分類します。 「フレッシュ」熟成させず早めに食べた方が美味しい。 (日本酒でいえばしぼりたてといった感じ) 「白カビ」周りが白いカビに覆われ中身はやわらかめ。 「青カビ(又はブルー)」名の如く中に青カビが入っている。 「ウオッシュ」名前が表している通り、形になったチーズ の表皮を塩水かお酒で洗って熟成させる。 「セミハード・ハード」度合いは様々だがだいたいは固め な締まった組織をしている。 「シェーウ゛ル」山羊乳から造られるチーズの総称。 さてこの中で皆さまに馴染みがあって食べる機会が多いと いうのは、白カビになるのではないでしょうか。 代表選手はその名も有名なカマンベールですね。 こちらは歴史も古いチーズですが、最近は新しいチーズも 色々と開発されています。 「カッショッタ・デリ・アンジュリ」はイタリア語で 「天使の小さなチーズ」という意味。 そのロマンティックな名前を裏切らず、フワァ~っと やわらかく爽やかで優しい味わいです。 牛乳と羊乳の混乳のバランスがよい味わいには実に日本酒 が合わせやすいのです。 ただ、白カビが主張しすぎてしまう事もあるのでその際は 外してあげれば問題ないでしょう。 内助の功といった感じのチーズはあらゆるタイプの酒にも 支え上手で相方のよさを引き出してくれること請け合いですよ。  D&F テイスティー アドバイザー 粂田 康子 ———————————— 【チーズのお問合せ】 株式会社フェルミエ Fromagerie Fermier 【本店】 東京都港区愛宕1-5-3   愛宕ASビル1階 http://www.fermier.fm/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.おいしいお酒の飲める店 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽ 「らんぽう」     東京都渋谷区初台1-37-11 2階       電 話:03-5388-6665          営業時間:17:30~25:00    定休日:年中無休 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  初台の駅を降りて3分程度の場所にある ちょっと隠れ家的なお店です。 (一階に小さな看板があるだけなので見落 とさないように) お酒に合うオリジナル料理も豊富 ##########################################  本年もよろしくお願い申し上げます   年末ぐらいから急に寒くなった気がします。 年が明けてからは各地で大雪が降ったりと冬 らしくはなったものの寒いですね!  季節限定の新酒しぼりたても予定通りの発売 とはいきませんでしたが、無事すべて発売され ました。(中にはすでに完売した商品も) 蔵の中ではお休み無しで発酵中! 旬の時期に旬のお酒を旬の料理とともにお楽し み下さい。  「大吟醸の音色」(発酵中の様子) を撮影したので是非ご覧ください。 ◆醸句通信(日々の出来事を不定期に随時更新中)    https://sakehitosuji.co.jp/wp/ ◆蔵元情報(イベント等のご案内を随時掲載中)    https://sakehitosuji.co.jp/brewery/ ※一部のコンテンツは携帯電話からもご覧いただけます! (アドレスは同じで https://sakehitosuji.co.jp )  皆さんからのコメント、トラックバックお待ちしております。 … … … … … … … … … … … … …  また、みなさんのお酒にかかわる情報、それ以外 のものでも結構ですからどしどしご返事・お便りを ください。 「これはおもしろかった」「こんな事が知りたい」・・ あの人にも送ってほしいなどのご要望がございましたら お知らせ下さい。  また、このメルマガがご迷惑になるようでしたらご 一報ください。早速、宛先リストから削除いたします。 ご迷惑をお掛けしている方々にはお詫び申しげます。                          利守酒造株式会社                                        編集担当・明日香

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