貴重な酒造米である軽部産・雄町米を惜しげもなく磨き、醸し出される「酒一筋」。
一つ一つの工程が深い意味を持っているからこそ、格調高い「酒一筋」の味わいが生み出されるのです。
その品質管理は、出荷の日を迎えるその時まで、一瞬の油断も許されません。
数々の工程を経て「酒一筋」は生まれます。
その工程一つ一つが「酒一筋」の品質を生成します。
「その工程2」では「洗米」から「浸漬(しんせき)」「蒸し」「放冷」までを
見ていきましょう。
「洗米」では15kgずつに分けた精米を一袋ずつ手洗いすることで、米の表面に付いた糠(ぬか)を落とします。
「雄町米」は軟質米で、この「洗米」や次の「浸漬」でも砕けてしまう危険性が高いので、特に注意深く洗います。
洗米の済んだ精米は続く「蒸し」に必要な水分を吸わせるために水に浸します。この工程を「浸漬」と呼びます。
浸漬では秒単位の限定吸水を行い、良好な蒸し米を得るための水分含量となるよう、細心の注意を払っています。
浸漬が済んだら次は「蒸し」です。
米に含まれる生デンプンは、そのままでは発酵に関与するブドウ糖に分解されにくいので、蒸す(熱を加える)ことで、分解されやすい(麹の酵素の作用を受けやすい)αデンプンに変えます。また同時に殺菌も行います。
そして蒸した米を仕込む際、最適な仕込み温度になるよう「放冷」します。これは同時に米の表面に付いた水分を飛ばし、製麹(せいぎく)に最良な外硬内軟の蒸し米を得ることを目的としています。
そのため、温度は下げすぎないよう、注意する必要があります。